「もっと気持ちよく、安心して走れるサイクリングロードはないかな?」「旅先でのサイクリングをもっと楽しみたい」。
そんな方にぜひ知ってほしいのが、国が指定する ナショナルサイクルルート です。
本記事では、ナショナルサイクルルートの制度概要、現在指定されている全国6ルート、第3次候補として注目される7ルート、そして旅として楽しむコツをわかりやすく解説します。
ナショナルサイクルルートとは?
ナショナルサイクルルートとは、日本を代表するサイクリングルートとして、国土交通省の自転車活用推進本部が指定する制度です。
景色が良いだけでなく、国内外の誰もが安全・快適にサイクルツーリズムを楽しめるよう、走行環境・休憩施設・宿泊環境・情報発信・地域の推進体制などが整っていることが求められます。
5つの指定基準
- ルート設定:おおむね100km以上で、地域の魅力が詰まっていること
- 走行環境:案内表示があり、安全に走れること
- 受入環境:休憩・宿泊・サポート体制が整っていること
- 情報発信:多言語マップやWebサイトがあること
- 取組体制:官民が連携して維持・運営していること
現在指定されている6つのナショナルサイクルルート
現在、ナショナルサイクルルートとして指定されているのは、全国6ルートです。それぞれに異なる景色や文化、走りごたえがあり、初心者からベテランまで楽しめます。
しまなみ海道サイクリングロード
約70km
日本初の海峡横断ルート。瀬戸内海の多島美を眺めながら、島々を橋でつないで走れる人気ルートです。
ビワイチ
約193km
日本最大の湖・琵琶湖を一周するルート。比較的平坦で走りやすく、時間帯ごとに変わる湖の表情を楽しめます。
つくば霞ヶ浦りんりんロード
約176km
旧筑波鉄道の廃線敷と霞ヶ浦の湖岸道路を組み合わせた、首都圏からもアクセスしやすいルートです。
トカプチ400
約403km
十勝平野を8の字に結ぶルート。どこまでも続く直線道路と、北海道らしいスケール感を味わえます。
太平洋岸自転車道
約1,487km
太平洋岸の名所をつなぐ超ロングルート。富士山や海岸線など、日本を代表する景色を贅沢に楽しめます。
富山湾岸サイクリングコース
約102km
富山湾と立山連峰を同時に望める絶景ルート。海と山のコントラストが美しいコースです。
第3次候補として注目される7つのルート
2026年春には、従来の6ルートに続く第3次ナショナルサイクルルート指定候補として、新たに7つのルートが提示されました。
それぞれの地域で、景観・歴史・文化・食・復興・地域連携などを活かしたサイクルツーリズムの取り組みが進められています。
フジイチ
世界遺産・富士山をぐるりと一周するルート。走る角度や時間帯によって変わる富士山の表情が魅力です。
あまいち
天草諸島を巡るルート。青い海、点在する島々、天草キリシタンの歴史など、異国情緒ある景色を楽しめます。
鳥取うみなみロード
鳥取砂丘や日本海のダイナミックな海岸線を走るルート。白砂青松の景色や大山の眺めも魅力です。
ふくしま浜通りサイクルルート
海岸線、震災遺構、復興の歩みをつなぐルート。絶景だけでなく、地域の歴史や学びにも触れられます。
雪国魚沼 Golden Cycle Route
雪国文化と広大な田園風景を楽しめるルート。黄金色に輝く水田など、日本の原風景に出会えます。
いしかわ里山里海サイクリングルート
能登半島の自然と伝統文化を巡るルート。里山里海の美しい風景と、復興への思いが重なる地域です。
わかさいくる
若狭湾のリアス式海岸や食文化を楽しめるルート。鯖街道など、歴史とグルメを組み合わせた旅にも向いています。
ナショナルサイクルルート認定への道
ナショナルサイクルルートは、景色が良いだけでは選ばれません。安全に走れる道路環境、休憩施設、宿泊環境、地域の受け入れ体制、継続的な運営体制など、地域全体での取り組みが必要です。
市町村の壁を越えた官民一体のチームづくり
100kmを超えるロングルートでは、一つの自治体だけで完結しません。複数の市町村や県、観光協会、警察、民間企業などが連携し、サイクリストにとって走りやすい一本のルートをつくり上げていきます。
迷わせないインフラ整備
矢羽根やブルーライン、案内看板などを整備し、初めて訪れた人でも迷わず走れる環境をつくります。サイクルステーションや休憩スポットの整備も重要です。
公共交通との連携
途中で雨が降ったり、体力が尽きたりしたときに備え、サイクルトレインなどの公共交通との連携も重要です。安心して走れる選択肢があることで、旅の自由度が高まります。
地域全体をサイクリストウェルカムに
宿泊施設での自転車保管、飲食店での受け入れ、サイクルラックの設置など、地域全体でサイクリストを迎える空気をつくることも大切です。
ナショナルサイクルルートを旅として楽しむコツ
ナショナルサイクルルートは、ただ走るだけでなく、地域の食や文化、景色、人との出会いを楽しめるのが魅力です。
地域の食と文化に触れる
道の駅、ご当地グルメ、温泉、歴史ある街並みなど、自転車だからこそ気軽に立ち寄れるスポットがたくさんあります。
安心感を楽しむ
サポートショップやサイクルステーションが整っているため、万が一のトラブル時にも安心感があります。
景色を写真に残す
案内表示が整っている分、道に迷う不安が少なく、きれいな景色に出会った瞬間に自転車を止めて写真を撮る余裕が生まれます。
ナショナルサイクルルートは、初心者からベテランまで「日本の風景っていいな」と感じられる、旅と自転車の魅力が詰まったルートです。走った道、立ち寄った場所、撮影した景色をあとから振り返ることで、サイクリング旅の思い出はさらに深まります。
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